「シーツ」という言葉は、昔の言い方では『敷布』と呼ばれていたことをご存知ですか?
ひらがなだと「しきふ」と読みます。
現代では当たり前に使われている「シーツ」ですが、『敷布』から言い方が変わったのはいつ頃からなのでしょうか。
本記事では、
- シーツの昔の言い方「敷布」の意味
- 敷布がシーツに変わったのは昭和から
- シーツの昔の言い方は今はあまり使われない
について詳しく紹介していきます。
昭和時代に言葉が変わった背景や、現在ではほとんど使われなくなった「敷布」という言葉の意味を、日本の文化や生活スタイルの変化に触れながら解説しています♪
シーツの昔の言い方は敷布!意味は?
冒頭でも触れた通り、シーツの昔の言い方は『敷布(しきふ)』です。
「敷布」とは、その名の通り布を敷くことを指しており、主に寝具として使用されるものでした。
日本では、床に布団を敷いてその上に寝具を重ねるスタイルが古くから一般的で、布団の上に敷く布を「敷布」と呼んでいたのです。
「敷布」は、日本では江戸時代末まで使う習慣がなかったと言われています。
明治時代に入って、衛生上の理由で西洋寝具の文化であった「シーツ」が、『敷布』として日本でも使われるようになりました。
西洋でのベッド文化と違って、床に直接ふとんを敷く日本ではカビの発生などで清潔さが保てなくなってしまいます。
シーツ(敷布)が普及した理由がわかりますね。
続いて、敷布からシーツに言葉が変わっていったのはいつからなのかについて見ていきましょう!
敷布がシーツに言い換えられたのは昭和から?
「敷布」という言葉が「シーツ」に変わり始めたのは、昭和時代の中頃と言われています。
日本が西洋文化を積極的に取り入れ始めた明治・大正時代には、西洋での「シーツ」という言葉は『敷布』と訳されて日本で使われていました。
敷布が取り入れられた当時は、寝具がまだ上流階級の間で取り入れられる高級品のような位置づけだったとのこと。
昭和になる頃には、一般の家庭でも広く使われるようになり、敷布も普及していったようです。
その後は第二次世界大戦後に、アメリカ文化の影響を強く受けた日本では急速に洋風化が進み、ベッド生活スタイルが広まっていきました。
布団ではなくベッドで寝るスタイルが一般的になり、それに伴って「シーツ」という言葉が広まっていったのです。
なので、「敷布」よりも「シーツ」という言葉が主流になっていったのは昭和30年代から40年代頃くらいでしょうか。
西暦でいうと1960年前後くらいですね。
そこから「シーツ」が全国的に定着していったと考えられます。
シーツの昔の言い方は今は使われないの?
シーツの昔の言い方である「敷布」という言葉は、現代の日本ではあまり使われなくなっています。
かつては家庭内で普通に使われていた言葉でしたが、現在ではほとんどの人が「シーツ」ですね。
特に若い世代では、「敷布」という言葉そのものを知らない人も多いでしょう。
ただし、特定の地域や伝統的な家庭では、今でも「敷布」という言葉を使う場合があります。
特に年配の方々にとっては、懐かしい言葉として親しみがあるかもしれません。
また、古い文献や昭和時代の書物には「敷布」という言葉が頻繁に登場しますので、歴史や文化に興味がある方は知っておくと良いでしょう。
このように、時代とともに言葉は変わり、古い言葉が新しい言葉に置き換わることは珍しくありません。
「敷布」もその一例であり、日本の言語文化の移り変わりを示す象徴的な言葉と言えるでしょう。
まとめ
シーツの昔の言い方について、「敷布」の意味や言い方が変わった時期、今は「敷布」の言葉は使われないのかを紹介しました。
- シーツの昔の言い方は『敷布(しきふ)』
- 敷布は布団の上に敷く布で、衛生上の観点から日本でも広まっていった
- 日本で「敷布」という言葉が「シーツ」に変わり始めたのは昭和時代の中頃(1960年前後~)と考えられる
- 「敷布」という言葉は、現代の日本ではほとんど使われない
言葉の移り変わりは、その時代の文化や生活スタイルの変化を反映しています。
「敷布」から「シーツ」への変遷も、日本がどのようにして西洋文化を取り入れ、自らの生活に適応させてきたかを物語っています。
今後も、時代とともに新しい言葉が生まれ、古い言葉が消えていくことでしょう。
しかし、その背後にある歴史や背景を知ることで、より深く日本の文化を理解できるのではないでしょうか。